過去の為替レートから見えるドル保険のリスク

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ドル保険への加入を考えている人も、すでにドル保険へ加入した人も、みなさんに影響する問題が為替レートです。しかし、為替レートと聞いてもピンとこない人が多いのではないでしょうか。「1ドル〇〇円です」とニュースで聞いても、それがどのくらい自分の生活に影響するのか理解できますか?今回はドル保険における為替レートが、あなたの生活にどれくらい影響を与えるかわかりやすく解説していきます。

【結論】

過去の為替レートを見ると為替相場のリスクがみえてくる。ドル建て保険における為替レートの影響はとても大きい。

為替レートとは何か?

ドル円為替レートはドルの値段

そもそも為替レートとはなんでしょうか?普通に日本で生活していても、為替レートを身近に感じることがないのでわかりにくいですよね。まずは為替レートとは何かわかりやすく解説します。

為替レートとは、簡単にいうとドルと円を交換する時の値段のことです。1ドル120円とか、1ドル125円とか、ニュースでよく聞きますよね。ニュースでよく言っているのはドル円の為替レートです。為替レートは、各国の政治情勢や、大企業の動向などさまざまな要因で常に変動しています。

ドル保険における為替レート

保険料の支払いから保険金の受け取りまでドルで行う保険がドル保険です。ドル保険への加入を考える上で、ドル円の為替レートは常に意識しておきたいところです。例えば、1ドル120円の時に保険金を円に両替するより、1ドル130円の時に保険金を受け取って円に両替した方が受け取るお金は多くなります。1ドルの値段が安い時にた#くさん保険料を支払って、1ドルの値段が高い時に保険金を受け取るとおトクです。

為替の未来はわからないが過去はわかる

為替レートは、さまざまな要因で常に変動していることは説明した通りです。では投資のプロならば、為替相場の先行きを読むことができるのでしょうか?

為替相場の未来予測は不可能

為替相場の先行きを読むのはプロでも難しいと言われています。株式相場と比較しても為替は市場が大きすぎるので、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。どれだけ勉強をした投資のプロでも為替相場の未来を見ることはほぼ不可能です。

為替レートの過去を見ると可能性が見える

未来予測はできない一方で、過去の為替レートを見ることはできます。過去何十年の為替レートを見ることで、これから起こる可能性の高い未来を考えることができます。過去20年分のドル円レートから、今後どれくらい変動する可能性があるのかイメージしてみましょう。

過去20年で49円も動くドル円

*引用:Yahoo!ファイナンス(ドル円チャート)

上のチャート図は2012年1月から2022年1月までのドル円為替レートを示しています。このデータを確認すると過去20年で約49円も変動していることがわかります。「たった49円なら別に気にしなくていいじゃん」と思う方もいるかもしれません。しかし、よく考えてみると49円は大きな数値です。

20年で資産が大きく増減する

仮に最高値1ドル約125円の時に100万円をドルに変えたとしましょう。このお金を運悪く最低値1ドル約76円の時に売ってしまった場合60万8千円になります。逆に最低値1ドル約76円の時に100万円分のドルを買った場合を想定すると、最高値約1ドル125円の時には約164万円となります。

ドル保険で為替レートは超重要

ドル保険で考えてみましょう。ドル円レートが下落したタイミングで多く保険料を支払って、ドル円レートが上昇したタイミングで保険金を受け取ることが出来れば大きくお金を増やすことが出来ます。為替レートのタイミングをみて、保険料の支払いと保険金の受け取りをするとドル保険の性質を最大限生かすことができます。

生活に必要なお金をドル建てにして大丈夫?

いざという時に困る可能性が

あなたは何を目的にドル保険に加入していますか?学資保険の代わりに「ドル保険で学費を準備しよう」と保険屋さんにすすめられる人も多いと聞きます。もしあなたが「子供の学費のために」という目的でドル保険に加入しているのであればキケンです。

なぜドル保険で学費を準備してはいけないのか

ここまでの解説でドル円の為替レートは常に変動し、タイミングによってはお金が大きく減ってしまう可能性があることをご理解いただけたと思います。もしあなたの子供の学費が必要なタイミングと、20年に1度のドルの大暴落のタイミングが重なってしまったらどうしますか?せっかく頑張って積み立てたお金が4割も減ってしまうかもしれません。

子供の学費を運任せにしないで

子供の学費は使うタイミングがある程度決まっているお金ですよね。そういったお金をドルで運用してしまうと、運悪く為替相場の下落と重なってしまった場合に後悔することになります。もちろん逆にドルの値段が上昇してお金が増えることもありますが、子供の学費を運任せにはしたくないですよね。

ドルで備えることと円で備えること

円とドルのバランスが大事

基本的に円預金だけで資産を持つことはオススメしません。物価が上昇し円の価値が下がる可能性があるからです。そのため、株式やドルへ投資して将来に備えることをオススメします。選択肢のひとつとしてドル保険も活用できます。

ドルと円のバランス

為替レートの変動をうまく使えばお金を増やせるので、若いうちに積極的にドルや株式へ投資する姿勢は必要です。一方で為替レートの変動で大きく損をする可能性があることも理解しておきましょう。生活に必要なお金は円で備えつつ、しばらく使うことがなさそうなお金を使って長期投資できると良いですね。ドルと円のバランスが非常に重要です。

ドル保険の払い込み期間に要注意

基本的にはドル保険の払い込み期間を長く取るようにしましょう。最低でも10年以上は必要です。毎月決まった金額を投資することで、安定して資産が増えるようにする方法をドルコスト平均法といいます。ドル保険でドルコスト平均法を活用する場合、払い込み期間が短いと不利です。払い込み期間を長期間取るようにすると良いでしょう。

【結論】

過去の為替レートを見ると為替相場のリスクがみえてくる。ドル建て保険における為替レートの影響はとても大きい。

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